【レポート】CI/CD for 5G Networks on AWS(AWS-27) #AWSSummit
こんにちは、枡川です。
今回は 2022 年 5 月 25 - 26 日の 2 日間開催されている AWS Summit Onlineのセッションレポートをしていきます。セッションのサマリーを理解し、興味があるセッションをチェックすることにご活用ください。また、セッションのアーカイブも公開されますので、詳細が気になった方は是非そちらをチェックして下さい。
セッション概要
5G モバイルネットワークはサービスベースアーキテクチャが導入されたことにより、疎結合な構成で Network Function の独立したアップデートがしやすくなり、デプロイの自動化やそれによるアジリティ向上や運用効率化への期待が高まっています。本セッションでは、5G ネットワークの継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI / CD)について、AWS のツールとサービスを使用して 5G ネットワーク機能のデプロイとアップデートを自動化する方法を紹介します。インフラから Network Function まで CI / CD の各段階に触れ、テスト、可観測性、およびオーケストレーションとの統合の観点に関しても説明いたします。
登壇者
AWS 技術統括本部 シニアソリューションアーキテクト 川﨑 一青 氏
セッションリンク
下記リンクからセッションの資料をご確認いただくことが出来ます。 なお、セッション情報を参照するためには AWS Summit Online 2022 への無料登録が必要となります。
CI/CD for 5G Networks on AWS(AWS-27)
※セッション資料は上記リンク先の「添付ファイル」タブからダウンロードすることが出来ます。
レポート
アジェンダ
- CI/CD for 5G Networks
- AWS を活用した CI/CD for 5G Networks の実現
- 事例紹介
CI/CD for 5G Networks
5G ネットワークの特徴と CI/CD 検討の背景
5G ネットワークの特徴として下記が挙げられていました。
- C/U 分離
- ステートレスアーキテクチャ
- サービスベースアーキテクチャ(マイクロサービスアーキテクチャ)
- ネットワークスライシング+オーケストレーション/自動化
- MEC(Multi-access edge computing)
今回の文脈においてはサービスベースアーキテクチャ(マイクロサービスアーキテクチャ)が重要なポイントとして紹介されていました。 HTTP/2 による統一されたインターフェースでやり取りを行えるようになったためにサービス間の依存関係が減り、従来大きな工数がかかっていた依存関係を踏まえたテストが省略可能になっているという内容でした。
また、既に他の分野で広く採用されているような CI/CD を 5G ネットワークに取り込むことで、より迅速に開発やデプロイしつつ、テストを組み込んで自動で品質を担保できると紹介されていました。
具体的な構成についての話の前に下記前提が置かれていたため、紹介します。
本セッションにおける CI/CD の要件
ベンダーがソフトウェアを開発した後、通信事業者側が検証環境にデプロイして検証し、その後本番デプロイする場合における 通信事業者側の作業についてフォーカスする。
CI/CD でデプロイするリソース対象
ETSI NFV フレームワークで考えた際にデプロイ対象は下記。
- NFV Infrastructure(NFVI)
- Virtual Network
- Virtual Compute
- Virtual Storage
- Network Function(NF)
AWS を活用した CI/CD for 5G Networks の実現
5G ネットワークでは複数のコンポーネントがデータセンターや基地局近くのラックなど複数のロケーションに配置されてますが、どのロケーションでも AWS 上に構築されていれば一貫した方法で CI/CD を実装可能と紹介されていました。 CU や DU などの無線寄りのコンポーネントについても AWS Outposts 上に構築すればコアネットワーク寄りの機能と同様に扱えるというのは魅力的に思えました。
また、NFVO や VNFM といったオーケストレーション機能については Lambda や APIGateway 等を使用して AWS で実装するパターンと 3rd Party 製品を使う場合で 2 通りのアーキテクチャが紹介されていました。
紹介されていた CI/CD パターンをざっくり書いておきます。 詳細なアーキテクチャ図はセッションの資料等をご覧下さい。
- AWS CDK を使用して VPC + EKS + EFS をデプロイ
- ベンダーから提供されたコンテナイメージや Helm チャートを使用して、Code シリーズによるパイプラインを構築し、Network Function のデプロイ・更新
- AWS StepFunctions を使用して 3rd パーティーのテストツールを起動し、NetworkFunction の機能をテスト、テスト結果によってパイプラインを進行させる
また、CloudWatch などを使用して可観測性を高めたり、IAM や CloudTrail などを使用してセキュリティを強化することについても紹介されていました。
事例紹介(DISH Network)
アメリカの DISH 社の事例が紹介されていました。 クラウドネイティブな 5G ネットワークを AWS 上に構築しており、IaC や CI/CD も活用されていました。
まとめ
AWS 上に 5G ネットワークを構築し、CI/CD を組み込むことで品質を保ちつつ、より俊敏にアップデートをしていけるという内容でした。 興味ある方は是非 AWS Summit のページから確認して見て下さい。